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【胎児治療体験記】後日談・1ヶ月健診

後日談

※この記事は過去に書いたものです。
手を入れるとその当時に感じた気持ちなども
こぼれおちてしまいそうなので
できるだけ当時の記載のまま掲載しています。
感情的な部分や稚拙な部分もありますが、
ご了承ください。

記事記載日:2009年07月09日

1ヶ月健診。

今回は、1ヶ月健診のときのことを
書きます。

お産後は近場の買い物以外では
ダンナといるとき以外は外出することが
ほとんどなかったんです。

納骨がまだなこともあって、
家にひとりでお留守番をさせるのが
かわいそうな気がして。

それに、お空で見てくれていると思うので、
わたしが家にいるうちは
安心してダンナを見ていられても、
ダンナとわたしと2人とも外出していたら
赤ちゃんが
『どっち見てればいいの?』と思うかな
とか思ってしまって(;^_^A

今日は3回目の月命日なのですが、
未だにひとりで外出って
あんまりする気になれないです。

でも、この半ひきこもり状態も
働いてないからできることなんですよね。

幸いダンナは納骨までは
働かなくていいと言ってくれてるので、
こころおきなくひきこもっていようと
思います(;^_^A

そんなわけで、
電車に乗って行くT大病院が
久しぶりのひとりの外出でした。

近場の買い物でも赤ちゃんや妊婦さんを
見ていたし、
平気だろうと思っていたのですが、
待合室で幸せそうな妊婦さんたちを
見るのが辛かったです

(とは言ってもT大病院なので、
 普通の妊婦さんよりは
 リスクの高い妊婦さんが多いのですが)。

しかも、A先生は
たくさん患者さんを抱えていらして、
予約時間に行っても
かなり待たされてしまうため、
余計に待ち時間が長くて。

「これ以上長く待つようなら
 辛いので別の場所にいていいですか?」
と助産師さんのいる部屋に言いに行ったら、
余計辛くなって、
すこしだけ泣いてしまいました…。
恥ずかしいやら情けないやら、
申し訳ないやらという感じでした(・・;)

助産師さんはそんなわたしを見て
A先生に声をかけてくださったのか、
それからほどなく、名前が呼ばれました。

A先生は、病室に入るなりすぐに、
こう仰りました。

「ご主人の投書の件は
 ごもっともだと思います。
 改善のために動き始めたところです」

いきなり何の話だろう? と思ったら、
ダンナが一生懸命書いていた投書
ことでした。

「こういうケースは特別なので、
 資格を持っている業者が
 都内ではそこしかなくて、
 相手の言うように
 されてしまっているんです」とも。

赤ちゃんの火葬のときに
他にも同じようなかたもいたし、
正直、『そんなことないんじゃ?』
と疑問に思いながらも、
改善すると仰ってるのに
水を差すこともないので黙ってました。

それよりも、ダンナと投書するときに
『同じような辛い思いをするひとが
 いなくなればいいね』と話していたので、
そのためにすこしでも役に立てたことが
うれしかったです。

健診の結果はまったく異常なし。
普通の生活に戻っていいですよ、
と言われました。

体調はすこぶるよかったので
あまり心配していなかったのですが、
ほっとしました。

ただ、実際は自分の健診よりも
お訊きしたいことがあったので、
その後A先生が
「何かご質問はありますか?」
と仰ったときに
すかさずその質問を投げかけました。

「あのとき、早く帝王切開で
 産んであげられなかったんですか?
 帝王切開で産んであげられていたら、
 赤ちゃんは助かりましたか?

 すこしでも、だっこしてあげたり
 そばにいる時間を持てましたか?

 A先生があのときにいらしたら、
 どうされていましたか?」

赤ちゃんが亡くなった日、
A先生は外部の病院で診察をされる日
でした。
B先生が電話で何度か指示を
仰いでいらした様子はあったけれど、
実際にいてくださったわけではありません。

赤ちゃんの病状はとても重く、
素人のわたしが考えても
長くは生きられなかっただろうと思います。

でも、早く! と叫びだしたい
気持ちをこらえて、
手術の準備をされてから
何時間も待ったのちの心音停止…。

もしも帝王切開で産んであげられたら
助かったのだとしたら、
あの苦しみは何だったんだろう?
という気持ちがどこかにあって。

B先生の電話を聞いたうえで
指示をするという形ではなく、
A先生に直接診ていただけていたら
違ったのかな?
という気持ちもありました。

答えを聞いても
赤ちゃんは帰ってこないのは解っているし、
B先生を責めたいわけじゃありません。
ただ、ちゃんと
お訊きしておきたかったんです。

A先生は考え込み、
しばらくカルテをぱらぱらと見た後、
慎重に慎重に、
ことばを選んで答えてくださりました。

赤ちゃんのいのちが危険なときの症状が
いくつかあって、
わたしの赤ちゃんの症状は
その危険な症状が出ていなかったようです。

赤ちゃんに力が残っていなかったんだろう
ということでした。

なので、A先生がその場にいても
急いで手術をする状態ではなかったし、
また実際に手術をしたかわからない、
B先生の判断を責められない、
とのことでした。

また、赤ちゃんはもし
生きて生まれてきても
24時間生きられたかどうかわからない
とのことでした。

生まれてすぐに特殊な呼吸器に
つなげてあげないといけなかったし、
顔を一目見ることくらいは
できたかもしれないけれど、
だっこしたりする時間は
持てなかっただろう、とのこと。

そういう赤ちゃんは危険なサインを
出さずに逝ってしまうこともある、
とも仰っていました。

危険な症状を出している赤ちゃんでも、
手術して間に合わなかったかたも、
A先生が診られたなかでも
2例くらいあったそうで。

そのときのお母さんの悲しみは
どれほどだろう、と思いました。

改めて、わたしの赤ちゃんは、
自分の命を悟って、
機械をつなぎなおすほんの僅かな隙を見て、
静かにお空にかえっていったんだ
と思いました。
わたしのからだのことを第一に考えて。

なんて健気な子なんだろう、
なんて優しい子なんだろう、
そして、なんて強い子なんだろう、
って思いました。

『産後の状態はとてもよく、
 帝王切開手術をしていないため、
 次のお産にも帝王切開をしたときの
 リスクもありません。
 もうすこし落ち着いたら
 次の機会を待てばいいと思います。

 いつでも相談に乗るし、
 電話をくれてもいいです。
 次の機会のときも、また週数の
 早い時期に一度診せてください、
 異常がないかすぐわかりますよ』

A先生は、そう言ってくださりました。
そうして気にかけていただけただけで、
すごくうれしかったです。

帰り道、あのビルの陰の桜は、
葉っぱが青々と茂っていました。
わたしが家にこもっている間も
時はちゃんと過ぎ、
季節がめぐってくるんだなと
しみじみ思いました。

この痛みが薄れることはあっても
癒えることはないと思うし、
かなしみも痛みも赤ちゃんがいた証だから、
癒えないでほしいと思います。

でも、この痛みを抱えたままでも
季節がめぐって
またかならず春が来るように、
ちゃんと幸せな日々が訪れると
信じています。
それまでしっかり、がんばろうと思います。

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