※この記事は過去に書いたものです。
手を入れるとその当時に感じた気持ちなども
こぼれおちてしまいそうなので
できるだけ当時の記載のまま掲載しています。
感情的な部分や稚拙な部分もありますが、
ご了承ください。
記事記載日: 2009年06月07日
赤ちゃんの治療(19)~ビルの陰の桜~
前回の日記 の続きです。
超音波検査、血圧や血液の状態、
子宮頚管の長さ等にまったく問題がなく、
病院にいても経過観察ということが
続いたため、
結局手術後2週間ほどで
退院することになりました。
ただし、赤ちゃんはすでに
片方の腎臓の機能は期待できず、
また生まれてすぐに手術をする
必要があったため、
できるだけおなかのなかで
成長させてあげたいとのこと。
早産にならないように、
できるだけ安静にするよう言われました。
日に20分のウォーキングさえ
止められる始末。
(退院後に通ったT大病院の母親学級では
適度な運動として日に20分の
ウォーキングを勧めていたのですが)
入院中のママさん仲間情報では、
32週までおなかにいてくれると、
それからの生存率があがるとのこと。
A先生に確認すると、
わたしの赤ちゃんの場合は
膀胱&腎臓のことを考え、
できれば満期(37週)までは
がんばってほしいと言われていました。
まあ、T大では病気のない子なら
32週までがんばると生存率が高いそうで、
32週がひとつの目標と
自分のなかでは思っていました。
退院してからは、必要最低限の買い物と
健診&母親学級以外は
ほとんど外出せず、
家でひたすらじっくり過ごしていました。
掃除機がけすら週1回というていたらく(;^_^A
あまりにも時間があったため、
この頃このブログをはじめました。
元々あまり料理が得意でなく、
また働いていたときは仕事が忙しくて
外食やお弁当でごまかしていましたが、
専業主婦になったらそうもいかず、
台所に立つ時間が長くなりました。
不思議なことに、
台所にいるときに胎動が大きく感じられ、
「この子は台所が好きなのかな?
それとも食べるのが好きなのかな?」
なんて、のんきなことを思っていました。
健診は週1回。
退院してからすぐの健診で、
すでに機能が残っているはずの腎臓までも
腫れはじめた、とA先生に言われました。
回を追うごとに、前回の倍、その1.5倍と
腎臓の体積が大きくなっていると診断され、
経過観察と言っていた膀胱も
腫れだしました。
……結果、また手術をすることが
決まりました。
手術をすることが決まった健診の日、
病院のそばの桜並木には
桜がぽつぽつ咲きはじめていました。
ただ、例年より桜が遅く、
またその日も寒かったため、
門の傍の高いビルの陰になっている部分は、
蕾さえ目立たない。
まるでわたしの赤ちゃんのようだ、
と思いました。
わたしが元気なからだを
あげられていないから、
日当たりのいい場所の桜は咲いているのに、
そこだけまだ春が遠い。
自分で感じたそんな気持ちを
打ち消したくて、
おなかの赤ちゃんにこう話しかけました。
「わーちゃん、桜が咲いてるね。
あっちのビルの陰の桜は、
咲くまでにもうちょっとかかるかな。
でも、どんな花でも、必ず咲くんだよ」
来週入院する頃には桜が咲いているかな?
なんて言いながら、
ゆっくりゆっくり帰路に着きました。
次 に続きます。
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