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【胎児治療体験記】赤ちゃんとのお別れ(10)

赤ちゃんとのお別れの経緯

※この記事は過去に書いたものです。
手を入れるとその当時に感じた気持ちなども
こぼれおちてしまいそうなので
できるだけ当時の記載のまま掲載しています。
感情的な部分や稚拙な部分もありますが、
ご了承ください。

また、この赤ちゃんとのお別れの記事は
生理的に受け付けないという方もいると
思うので、
注意事項5をご参照いただいて
ご了承の上お読みいただきたいと思います。

記事記載日: 2009年06月30日

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長く短い5日間(10)~お別れ~

前回の日記 の続きです。

一夜明けて、いよいよ赤ちゃんを
荼毘に付す日が来ました。

いつもなら食べたり食べなかったりの
朝ごはんも、
簡単に作ってちゃんとお供えしました。

葬儀社さんが来る30分近く前に、
両親と兄が到着。

実家は自営業ですが、
幸いその日は忙しくなかったようで、
母と兄が一緒に来てくれることに
なりました。

赤ちゃんの顔を見て、
「悪いけどお父さんは仕事があるからな」
と言ってすぐに父は帰っていきました。
目元には涙が光っていました。

祖母が亡くなったときしか
父の涙を見たことがなかったので、
胸をえぐられるように辛かったです。

赤ちゃんには健康なからだをあげられず
命を落とさせ、
両親にはこうして親不孝をして。
自分が元気でいることが
呪わしい気持ちになりました。

父が帰ってから、
赤ちゃんをお花で飾ってあげることに。

母が赤ちゃんにと
病室に持ってきてくれていた
お花ひとかご以外に、
昨日義妹ちゃんがお弁当と一緒に
花束を買ってきてくれていました。

可愛いピンクのガーベラ、
白いゆりにかすみ草。
それに加え、母が道すがら
一輪オレンジ色の花を
摘んできてくれました。

ちいさなお棺だったせいもあり、
あふれるほどということはないけれど、
それなりに綺麗に
飾ってあげられることができました。

お花でいっぱいにしてあげたかったけど、
あふれるほどお花を飾ったら、
かえって赤ちゃんのおなかには重いかも、
とも思ったので、
これでいいよねということになりました。

枕元には、
ダンナが命名式のときに書いた色紙。
足元には、母が買ってきてくれた絵本、
義妹ちゃんたちが持ってきてくれた
うさぎのぬいぐるみと、
入院中に描いてくれた絵。

病院でスタッフさんがくれた
折り紙の青いばらの勲章と、
ダンナが洋服と一緒に買ってきてくれた
赤ちゃんの帽子を入れました。

もっと入れてあげたかったものもあるけど、
赤ちゃんが小さいので弱い火を使うため、
燃えのこると困るということで、
燃えやすいものだけを入れました。

その後、葬儀社さんが来て、
いよいよ斎場へ。

当初は葬儀社さんの車には
三人しか乗れないと言われていたのですが、
ダンナに助手席に乗ってもらって、
赤ちゃんと四人一緒に家を後にしました。

斎場に着くと、わたしと同じように
赤ちゃんを亡くしたご家族らしき
ひとたちが
ちょうど火葬場から待合スペースに
向かおうとしているところでした。

わたしと同じように男の子を
死産で亡くされたようで、
動いている炉には『○○男児』と
名前が出ていました。

亡くされたお子さんのお母さんらしき
女性がいましたが、
取り乱すこともなく、
まっすぐ歩いていました。

それ以外にももうひとつ炉が動いていて、
今度はふつうにお名前が出ていました。
こういう風に赤ちゃんを亡くされるかたは
多いのかな、なんて思いました。

そうやってまわりのことに目をやって、
これから起こるかなしみを
直視しないようにしていたのかも
しれません。

『最後のお別れです』

火葬場のかたの声に
現実に引き戻されました。

嫌だ、って思いました。

亡くなって5日も経って、
赤ちゃんのからだが
いたんでいくのを見るのが
辛くて辛くて仕方なかったのに、

これから熱い火に焼かれるのかと思うと、
それも辛くて。

多分、最後に赤ちゃんを
見せてもらえたんだと思いますが、
その記憶はおぼろげだったりします。
嫌だって叫びたくなるのを
必死でこらえていたから。

しっかり前を向いて歩いていた
さっきの女性を見ていなかったら
本当に叫びだしていたかもしれません。

これでもう苦しいのはおしまいだよ、
もうちょっとだけ我慢してね、と
こころのなかで赤ちゃんに声をかけ、
ただただ赤ちゃんのために祈りました。

お別れをして、礼で小さなお棺を
炉に見送って。
わたしもちゃんと前を向いて歩こう、
と思ったとき。

炉がボッ、と思いのほか大きな音を立てました。

涙をこらえられず、
逃げるようにその場を後にしました。

に続きます。

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